東京七宝ブログ

七宝焼きとは?作り方の工程や人気のオーダーメイドもご紹介!

七宝焼きとは?作り方の工程や人気のオーダーメイドもご紹介!

七宝焼きは、学生時代に付けていた校章や車のエンブレム等も作られているので、誰もが一度くらいは見たことのある伝統工芸品ではないでしょうか。普段身につけているアクセサリーやストラップなど、とくに頂き物が実は七宝焼きだったこともあります。

意外と身近にありつつも、七宝焼きがどのような工芸品なのかご存じない方もいらっしゃるでしょう。ここでは、七宝焼きの特徴や作り方の工程、人気のオーダーメイドについてご紹介します。

七宝焼きとは?

七宝焼きは、金属である金や銀、銅などの下地にガラス質の釉薬を800℃くらいで焼いて装飾をする伝統的な工芸品です。
はじめに、七宝焼きの歴史や特徴、魅力についてご紹介します。

七宝焼きの歴史

七宝焼きは、古代エジプト時代からはじまり、江戸時代にユーラシア大陸の交易路網であるシルクロードを通り、日本にも伝わりました。

七宝焼きには、さまざまな技法があり、江戸時代に愛知県の陶芸家が、いくつもの技法を発見し広まりました。また、その後多くの日本人作家がパリ万博に出店したのをきっかけに、世界でも注目されるようになりました。

七宝焼きの特徴

七宝焼きの特徴は、金属にクリスタルガラスを焼き付けることで、艶がある風合いになることです。アクセサリーにも多く使われていて、絵柄も自由に描くことが可能で、とても色鮮やかな色彩を出せるのも特徴の1つです。

また、陶芸と違い、焼くことで色が変化するわけではなく、化学的変化なので全て計算をして作られています。

七宝焼きの魅力

七宝焼きの魅力は、年月とともに色褪せることがなく、作ったときの色が永遠に残せます。そのため、親から子へ、また孫へと、想いとともに受け継ぐことが可能なのです。

また、窯の温度や作った人によって釉薬の厚さが微妙に変わるので、1つとして同じ色味がなくオリジナリティある工芸品であることも魅力の1つです。

七宝焼きが出来る工程は?

七宝焼きは、使用する材料や釉薬により作り方が異なります。アクセサリーやお皿、花瓶など多くの種類を作りますが、どのように作るのか代表的な工程についてご紹介します。

素地・下地を作る

まず、金や銀、銅で素地を作ります。金属の板に下書きをして切り抜き、形を綺麗に整えます。プレス加工や木槌を使用して成形をしていくのです。

そして、釉薬がしっかりと付くように、素地の油分や汚れを、酸で洗うことによりベースが完成します。

銀線立て・釉薬を差す

純銀製の帯状の線を、立てていく作業を行なうのですが、この作業がとても大切です。繊細で高度な技術を活かしながら、模様の輪郭に沿って立てていきます。

釉薬を水や糊で溶いて、銀線で囲んだ模様の内外を、色彩豊かに色付けしていきます。釉薬は、水分を多く含んでいるので、しっかりと乾燥させなければなりません。

焼成・研磨

700~800℃くらいに熱した窯に入れ、焼成します。数分すると、釉薬が溶けて透明感のあるガラスになります。大きさによって焼成を何度か繰り返しますが、焼成回数が増えると釉薬の層が厚くなってしまうので、立て焼きや伏せ焼をすることでバランスを保つのです。

焼成のあとは、研磨し表面に艶を出します。はじめは粗目のペーパーを使用し、徐々に細かいペーパーで研磨することで、表面が艶やかで滑らかになります。

七宝焼きの人気オーダーメイドをご紹介

七宝焼きは近頃、若い世代の方にも人気の工芸品になっています。中でもオーダーメイドでアクセサリーを作る方も増えてきているのです。
七宝焼きは、アクセサリーや表札、ピンバッジなど、身近にあるさまざまなものに使われます。人気のオーダーメイドをご紹介します。

アクセサリー

ピアスやネックレス、ボタンリングなど、とくに女性が身に付けるアクセサリーが人気です。また、結婚指輪もオーダーメイドで作れるので、ブランド品ではなく、伝統工芸品がお好きな方におすすめです。

ネックレスは、お子様への成人祝いや、お母様、お祖母様への還暦や古希のお祝いにプレゼントするのも喜ばれます。

表札

表札は近頃、個人情報保護の観点から付けない方もいらっしゃいますが、表札を付ける方の中では、七宝焼きで作られた表札は人気です。大切な名前が金や銀、銅などを原料に、七宝焼きのキラキラとしたガラスが輝きを放つので、ひときわ文字が上品に際立ちます。

ピンバッジ

ピンバッジは、校章や社章、また販促用のバッジとしても人気です。七宝焼きのガラスの特徴を活かして、表面を半透明や透明にすることもあります。

バッジの中でも一番劣化しない製法なので、七宝焼きで作ったバッジは、最高峰とも言われています。クオリティや伝統を大切にするバッジに、七宝焼きは向いていると言えるでしょう。

まとめ

まとめ

七宝焼きの歴史や特徴、また作り方の工程や人気のオーダーメイドについてご紹介しました。江戸時代から続く七宝焼きは、日本だけでなく世界でも認知度の高い工芸品です。また、近頃は若い世代の方々にも認知され始め、とくにオーダーメイドで作るアクセサリーは人気があります。

「畠山七宝製作所」は、東京都にあるアクセサリーやネクタイピン、カフスボタンや携帯ストラップなど、七宝焼きの製造や販売などを行なっている伝統工芸品の製作所です。七宝作品コンクールでも受賞歴があり、さまざまなイベントに出展しています。とくにオーダーメイドご希望の方は、ぜひご相談ください。

日本の伝統、七宝焼きを使ったアクセサリーとは?詳しくご紹介!

日本の伝統、七宝焼きを使ったアクセサリーとは?詳しくご紹介!

艶のある上品な風合いが魅力的な七宝焼きですが、まだ、馴染みがないという方もいらっしゃるでしょう。
七宝焼きにはさまざまな魅力があり、アクセサリーとしても活用できるものとなっています。

今回は、七宝焼きを使ったアクセサリーについて詳しくご紹介していきます。

七宝焼きアクセサリーとは

日本の伝統工芸品である七宝焼ですが、今では芸術品としてだけではなくイヤリングやブローチなどといったアクセサリーが注目されています。
ここでは、馴染みのある七宝焼きのアイテムや七宝焼きアクセサリーの特徴についてご紹介いたします。

七宝焼きが使われているアイテム

「七宝焼き」と聞いて皆さんはどんなアイテムが思い浮かぶでしょうか。実は、学校生活馴染みのある校章バッチやクラスバッチも七宝焼きが使われています。その他にも職場で使っている社章バッチや役職バッチ、議員バッチにも七宝焼きが使用されているのです。

花瓶や壺としてご存じの方も多いと思いますが、意外なことに身近なところに七宝焼きのアイテムがあります。

七宝焼きアクセサリーの魅力

七宝焼きには、 名だたる有名作家による壺や銘々皿といった芸術品がありますが、最近では、この日本の伝統を大切に想う作家の手によって、七宝焼きを使ったアクセサリーも販売されています。イヤリングやブローチなどバリエーションは様々で、一つ一つこだわり抜いた作品からは伝統を大切にする想いも伝わるものばかりです。あなたの一生物となる、アクセサリーとの出会いもあるのではないでしょうか。

七宝焼きアクセサリーの特徴

七宝焼きアクセサリーの素材は、大まかに分けると金属とガラス質の釉薬(ゆうやく、うわぐすり)で、その名のとおり、七宝焼きを作る技術を用いて作られています。艶のある風合いとその透明度が特徴です。釉薬には色を加えることができるため、そのカラーバリエーションは豊富です。

また、素材は違うものの、ガラスのような透明度をもつレジンアクセサリーと一見似ていますが、その重厚感や質感は全く異なります。

種類も技法も様々

近年、年齢層の若い方々が歴史のある日本の芸術品に注目するようになったことで、伝統とアクセサリーの組み合わせというのが注目されるようになりました。そのため、ピアスや指輪、ヘアアクセサリーなどカテゴリーの種類はさまざまです。

私たち「畠山七宝製作所」では、以下のアイテムを作成しております。

  • 指輪
  • ペンダント
  • ブローチ
  • イヤリング
  • ピアス
  • ブレスレット
  • ストラップ
  • タイピン
  • カフス
  • バックチャーム
  • ピンズ
  • ループタイ

また、個人のハンドメイド作家によるインターネット販売やオーダーメイドができるお店もあります。それぞれの作家によって用いる技法も違うため、ここではどのような技法で様々なアクセサリーが作られているのか、ご紹介いたします。

技法と特徴

七宝焼きアクセサリーに用いられる代表的な技法は、大きく分けて下記の2つがあります。

  • 有線七宝
  • 無線七宝

有線七宝は線で描いた模様に色を差していく技法で、細かな表現と色彩が豊かなのが特徴です。一方の無線七宝は、焼く前に線を抜く技法で、差していた色と色の境界線がなくなり、有線よりも淡くやさしい印象となるのが特徴です。また、プリカジュールという高度な技術も有線七宝です。

お家でもできる七宝焼きの作成方法

七宝焼きアクセサリーの認知度も高まり、今では専用の素材や制作キットの販売もされています。自宅でも簡単に高温で焼き上げることのできる小型の工芸電気炉もインターネットなどで購入できます。また、七宝焼きアクセサリー作りを体験できるワークショップもあり、家族や友人との思い出に残る七宝焼きアクセサリーを作ることもできます。

相場・費用について

七宝焼きアクセサリーの相場はお店や個人の作家によって様々です。またオーダーメイドでより自分好みのアクセサリーをお探しの場合の費用も様々なため、ここでは大まかにそれぞれの相場や費用についてご紹介いたします。

お店で購入する場合の相場

職人さんによる高度な技術を用いて作られるプリカジュールのペンダントやジュエリーは、10,000円〜40,000円程度が相場になります。

個人のハンドメイド作家から購入する場合

ピアスやヘアアクセサリーなど物にもよりますが、あくまで個人で制作した作品のため値段の相場は3,000円〜5,000円の物から、10,000円〜の物までさまざまです。

オーダーメイドする場合の費用

より自分好みの七宝焼きアクセサリーを求めて、お店にオーダーメイドする場合は、彫刻代・抜き方代・商品代を合わせて、50,000円〜100,000円程になります。

まとめ

まとめ

七宝焼きは日本を代表する工芸品です。認知度が上がってはいますが、まだまだ知らない方もいらっしゃいます。しかし、実は学校や会社で触れていたとわかると、少し身近に感じるでしょう。

「畠山七宝製作所」では、アクセサリーも含めて各種アイテムを取り揃えております。少しでも興味を持った方は、職人による作品をぜひご覧ください。

エナメルと七宝焼きの違いとは?エナメルの技法や歴史とともに紹介!

エナメルと七宝焼きの違いとは?エナメルの技法や歴史とともに紹介!

日本を代表する伝統文化である「七宝焼き」ですが、「エナメル」と呼ばれている場合があります。
「七宝焼とエナメルに違いはあるの」「どうやって使い分ければいいの」とお困りの方もいらっしゃると思います。そのため、今回は、エナメルと七宝焼きの違いについて、エナメルの技法や歴史を含めながら解説していきたいと思います。

エナメルと七宝焼きの違いとは

「エナメル」と「七宝焼き」の違いは厳密にはありません。エナメル(enamel)とは、「金属・陶器・ガラス器などの表面に焼き付けるガラス質の塗料。また、琺瑯(ほうろう)のこと」(大辞泉より引用)を指します。また、琺瑯は、「さび止めや装飾のために金属器の表面に焼き付ける不透明なガラス質の釉。また、それを焼き付けた金属器。装飾品は七宝焼きと呼ぶ」(大辞泉より引用)との記載があります。つまり、エナメルは七宝焼きとほとんど同義で、親戚のような関係と言えます。

他に違いを述べるのであれば、製品の違いです。「エナメル」は金属に釉薬を焼き付けた製品全般を指すのに対し、七宝焼きは、「ジュエリー・宝飾品」という意味合いが強いです。エナメルの中に七宝焼きが入っているイメージと言えます。また、エナメルの技法には、日本の七宝焼きの技術と違った技法がみられることもあります。

エナメルの歴史

エナメルの歴史は古く、古代エジプト・ギリシャの時代まで遡ります。金や銀の金属板に絵を描いたものや陶磁器、ガラスなどを下地とし、釉薬を焼き付けたものが発見されています。一時、宝石に人気の座を奪われましたが、17世紀ごろに古典主義が発展し、エナメルの装飾品が取り入れられるようになっていきました。

時計とエナメル

17世紀当時、エナメルの装飾が施されていたのが、懐中時計です。懐中時計の文字盤の部分に、エナメルで名画を装飾することが流行しました。しかし、大量生産の時代が到来し、一般市民も時計を所有するようになると、手間がかかり高価なエナメル技法は廃れていきました。さらに、腕時計が誕生すると、装飾する面積が狭くなり、より一層エナメル技法は使われなくなっていきます。

しかし、1980年代にレトロブームが到来し、エナメル技法の人気が再燃します。生産に手間のかかるエナメルは希少性が高く、歴史も深いため、再度注目されることとなりました。現在でも、一流時計メーカーから、エナメル文字盤の製品が発売されています。

エナメル技法について

ここでは、エナメルの技法について解説していきます。

プリカジュール

プリカジュールは、19世紀の後半から20世紀にかけて、ヨーロッパで流行した手法です。非常に手間のかかる技法で、エナメルを何重にも塗り重ねることで、透明感を出します。薄く塗り重ねるたびに焼成する必要があるため、制作に時間がかかります。

グリザイユ

フランス・リモージュで発展したグリザイユは、2色のエナメルを使用します。土台の上に、黒や青のエナメルを塗り、その上に白のペイントを施します。明暗のはっきり分かれた2色が、とても幻想的な雰囲気を醸し出すため、時計の文字盤などに多く使われる技法です。

シャンルヴェ

シャンルヴェは、先に金属のデザインを彫り、溝をエナメルで埋めていく技法です。七宝焼きでいう「象嵌七宝」と同様の技法で、作品の美しさを際立たせるものとなります。

ヴァロンヌ

ヴァロンヌは、シャンルヴェ(象嵌七宝)と似ており、金属に彫り出されたくぼみにエナメルを埋めていきます。シャンルヴェとの違いは、エナメルを塗り重ね、立体感を出すという点です。塗り重ねるため、職人ごとの色使いや技術を体感することのできる技法です。

カボション

カボションは、エナメルを何層にも塗るという点では、プリカジュールと似ています。ただ、プリカジュールと違い、厚く塗り重ね、丸みを帯びた表面を作り出すという特徴があります。ヴァロンヌ同様、立体感のある作品を作り上げることが可能です。

パイヨン

パイヨンとは金属箔のことです。2層に塗り分けたエナメルの間に金属箔を挟み込んだものをパイヨン技法と言います。金属箔のおかげで、透明感を維持しつつ、光沢を生むことが可能となります。

クロワゾネ

クロワゾネは、フランス語の「Cloison(仕切った場所)」が由来で、七宝焼きの有線七宝と同様の作り方をします。細い金属線や針金を使用し、デザインを作り、その間にエナメルを塗っていく技法です。

ロンドボス

ロンドボスは、金で作られた立体像の表面に、エナメルを使用する技法のことです。

まとめ

まとめ

エナメルは、ほとんど七宝焼きと同様の意味で使用される場合が多いですが、使用される製品が変わってきます。エナメルの素材感が好きだけど、七宝焼きについては詳しくなかったという方もいらっしゃるでしょう。エナメル製品を好きな方には、七宝焼きのアクセサリーも必ず喜んでいただけます。

私たち「畠山七宝製作所」では、日本の伝統工芸品である七宝焼きのアクセサリーを多く取り揃えております。一部、サイト内での販売も行なっておりますので、まずは一度ぜひご覧くださいませ。

七宝焼きとは

弊社の七宝焼き、東京七宝とは江戸時代中期朝鮮から渡来した人物に、当時徳川幕府お抱えの彫金師であった平田道仁が七宝を習い泥七宝が主流で有った時代に透明感のある緑色のを用いた刀の鍔を作りました。

この刀の鍔は緑色に透明感があり、当時としてはとても貴重な作品でした。このような技法を持った平田家はその技術を門外不出としていました。明治初期に平田彦四郎7代目の当主が日本政府の依頼を受け日本の勲章を作る為フランスに渡り新しい技法身に着けました。それは機械を用いて型を作りそこに七宝を入れることを学び、日本の大勲位菊花大綬章を製作しました。

 

平田家はこの勲章制作を多く作ることになり弟子を取り、また地金を機械で作る技法を外国人商人が日本人に教えた。このことが、メタル七宝と呼ばれる地金を機械で作る方法の復旧に拍車をかけた。このメタル七宝はいろいろなジャンルに応用され例えば家電メーカー作る洗濯機、冷蔵庫などに取り付けるロゴなど企業の社章あるいは学校などの襟章、校章などいろいろな物に七宝が取り入れられました。弊社は父の代から七宝焼きを営んでいますが、昭和30年~昭和50年代このころが七宝焼きが非常に盛んな時代でした。

 

 

1964年に制作した東京オリンピックの七宝焼きです。

左はオリンピックガイドの方が使うピンバッチです。

この時期私はまだ小学生で制作は父と弊社の職人が担当していました。この当時東京七宝工業協同組合は最盛期で会員が64件と多くまた会員以外にも多くの七宝焼きの職人がおりました。その頃は製作のスピードを競うのが主流で商品の美しさは少し置いて行かれました。

私が、父の後を継ぎ七宝焼きの職人になったのは23歳の時でした。もちろん父の仕事は小学生の時からおこずかい稼ぎでてっだつていました。私は高校を出てすぐに家の仕事を手伝う予定でした。  

父がこれから先の時代は大学に行ってから家業を継ぐのもいいのではないかと進めてもらい進学することにしました、一浪しましたが大学に入りそのことが結果的に良かったとも持っています。七宝焼き修行は最初は釉薬に盛り込みいかに早く最適に釉薬を地金に置いてゆけるかが鍵の作業です。私は当時一緒に働いていた職人より2年後には正確に盛り込みを出来るようになりました。私が釉薬を盛り込むと気泡が出来ない盛り込みになります。通常釉薬は境界線より少し盛り上げて入れる為どうしても高く盛ることが多くなります。一度に多く盛り上げると気泡の原因になるのです。穴が開けば穴に色を差し塞いで焼き上げる手間が生じます。私が七宝製作をする前に父たちの制作していた七宝焼きの一部を紹介します。非常に多くの種類七宝を作っていました。

少し斜めでは有りますが、企業のエンブレム、観光地のバッチ、輸出用のピンズ、学校の校章など多岐に渡り七宝を製作していました。これらの品物は商品のほんの一部で有り社章、エンブレム、校章、記念バッチ、アクセサリー、色の入る物は殆ど七宝が使われていた時代です。

アクセサリーは私が家で働き始めた頃が最盛期でした。婦人物のアクセサリーから始まり紳士物のアクセサリーまで多くの作品を作りました。その一部には下記のようなものが有りました。これは私が直接研磨し仕上げたものです。品物には金メッキが付されています。

 

 

 

 

当時のメッキ加工技術は現在より上手だった気がします。私が20代で作った商品が今もあまり変わりなく我が家に置いてあります。多くの七宝作品があったことでデパートで販売される作品はその中でも優れたものといえます。この作品は上野松坂屋1階のアクセサリー売り場で販売されていました。当時このタイプのアクセサリーは東京七宝工業協同組合の中で弊社ともう一社で制作したものが大部分を占めました。

 

 

 

 

 

また父たちが作った品物には多様なニーズ似答えて下のような商品も作っています。下の商品の中でBMWのマークが有りますが、これは私が製作に携わった物です。他の品物は父や弊社の職人による品物です。

BMWはキーホルダーとして作られました。革に七宝の商品を付けてキーホルダーにしました。色々な品物を作りましたが、当時は自社でデザインを作る訳ではなく予め出来ている物に色を入れるそのような時代で自社の作品と呼べるものは有りませんでした。私が家業を継いで自社の作品を作るようになったのは平成に入ってからです。昭和63年に父が亡くなり、その後結婚し当時相対的に七宝の仕事が少なくなりました。その時出来れば自社の作品を作ってみたいと思うようになりました。父が亡くなった翌年トヨタの車でソアラのエンブレムを受注しそれから数年忙しい時期が続きました。弊社が七宝をは多岐に渡り昭和50年から60年当時は紳士のアクセサリーを多く作りました。ほとんどがブランドのタイ留めカフスです。

左はクレージュの紳士アクセサリーですが、当時サンローラン、バーバリーなどのアクセサリーを沢山作りました。しかし平成に入ると地球温暖化の為か夏はノーネクタイになりスーツを着て働く場所が減り普段着で通える職場が増えました。そのため紳士服のアクセサリーを販売は少なくなり問屋が無くなったこともありました。紳士服関連のアクセサリーが減少し弊社もスタイルを変える時期が来ました。そんな折三井商船から豪華客船で富士丸で販売する商品の依頼を受けました。柳原良平さんのデザインした富士丸のタイ留めカフスを作ることになります。その商品は初めて弊社で型を作り三井商船へ直接入れることになります。

 

 

 

 

その作品が下の画像です。

 

 

左が、日本丸 右が富士丸 左下が日本丸の船体が釉薬の下に沈んで見える技法、これは東京七宝の特長のひとつです。尾張七宝七宝や京七宝にはない技法です。

東京七宝工業協同組合はこの当時まだ東京の伝統工芸にはなっていませんでした。東京の伝統工芸に至る過程と弊社の今後は次の機会に紹介したいと思います。

この時期はまだ七宝焼きの注文は多くあった時期で組合員も35名ほどいました。では次回東京の伝統工芸(東京七宝)と今後などを紹介したいと思います。

店主

 

 

七宝焼きについて

本日、室町テラス日本百貨店にて実演を行いました。私が作る七宝焼きはその場で完成できないので、最終的な仕上げ方法をお客様に説明しました。

お客様の反応はそんなに手間が掛かるのですかといわれる方が殆どでした。意外と七宝焼きがその場で完成できると思われる方が多いです。

七宝焼きの体験は多くはその場で持ち帰り可能な物が多いからだと思われます。

尾張七宝の花瓶など体験は殆どできません。作るのに大変な時間と大きな電気炉必要となり研磨機などの利用もあります。

七宝焼きのおおもとの体験は難しいと思われます。七宝焼きの体験はほんのさわりの部分に限られます。

地金に色を付けるだけの所が多いでしょう。少し良く体験してもらうには体験者に七宝の焼成もしてもらわないといけません。

ただ初めて七宝焼きを体験される方は焼成をまで体験する方は少ないようです。焼成は時に焼きすぎという失敗することが有ります。

焼きすぎをするとその作品は使い物になりません。やり名をしを余儀なくすることになります。

最終的に東京七宝はメッキ加工という段階を取りますので色々な意味でその場で持ち帰ることは難しいです。

ただ七宝焼きを楽しむには体験者に焼成の部分も入れると良いと思います。

 

七宝焼きについて

東京七宝と他の七宝との違い、東京七宝は最初の地金創りに費用が掛かります。

日本の春と秋に行われる叙勲で送られる勲章は東京七宝の技法で出来ています。

また1964年に行われた東京オリンピックで使用された五輪のマークピンバッチは東京七宝の技法で出来ています。

一般の七宝焼きとは少々違い最初の工程が七宝作家や体験をする技法では出来ない部分があります。

それは地金を空焼きし酸で洗う方法を始めに行います。この部分で一般の方には出来ません。

水質管理免許が必要となります。

京七宝、尾張七宝 はこの免許がいりません。従って皆さんが入りやすい七宝焼きはこちらの技法を使用したものとなります。

この商品は東京オリンピック時に制作した完成一歩手前さくひんです。

この製品が七宝焼きで出来ていることを知る方は少ないでしょう?

東京の七宝加工業者が多く制作に携わりました。

一般の七宝焼きと違いが判るでしょうか?

オブジェクト アンソロジー リング 七宝焼き

この作品も指輪として制作しましたが、スカーフリンクとして使用可能です。

1箇所 プリカジュールの技法を入れた七宝焼きになっています。リングサイズとしては11号、13号、15号を予定しています。

その他のサイズはオーダー制になります。

プレシャスクラウンリングはスカーフリンクとしても使用できます。

先日、荒川伝統工芸技術展に来られたお客様で、

会場にはプレシャスクラウンの作品がなく後日弊社にお越し頂きました。

てっきりプレシャスクラウンをリング使用するものと思っていましたが、

弊社にあるスカーフに止めた所何の問題もなく使えました。

下の作品です。プリカジュールの技法を使用した七宝焼きです。

またこの作品は鎖を使用すればペンダントとしても使用可能です。3通りの使用可能な作品でした。

 

東京駅キッテ

東京都伝統工芸品 伝産ショールーム設置事業

東京駅すぐそばのキッテにて7月21から7月25日まで

東京都伝統工芸品の展示、販売、実演、体験などを開催しています。

キッテ地下1階です。

弊社の七宝製品も販売されています。

尾張七宝,京七宝、と違う東京七宝を是非見てください。

弊社の制作すカーエンブレムです。完成一歩手前

弊社制作カーエンブレム

イタリアエンブレム

個人のお客様から依頼を受けたカーエンブレムです。

4色現在このエンブレムは樹脂で制作されています。