七宝焼きの必要な温度とは?はじめての人が起こしやすい失敗例を解説
はじめて七宝焼きをおこなう方は、どれぐらいの温度が必要なのか分からないでしょう。普段から窯を使うわけではないので、当然のことです。七宝焼きは焼成をするので、適切な温度がどれぐらいなのか知らないと困ってしまうでしょう。
今回は、七宝焼きに必要な温度やはじめての人が起こしやすい失敗例を紹介しています。温度だけでなく、焼成で失敗しないためのコツもご紹介しましょう。自分で焼いてみたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
七宝焼きに必要な温度は基本的に800℃~850℃!窯も簡単に設置できる?
七宝焼きをおこなううえで、必要になる工程が「焼成」です。これをおこなわないと金属に光沢や色がつけられないので、何度も焼成をおこないます。
七宝焼きに必要な温度は基本的に「800℃~850℃」といわれております。窯を用いて焼成するものの、温度を保つのはたいへんです。なにより煙が出るので、近隣住民に迷惑をかける可能性が高いといえます。
そこで使うのが「電気窯」とよばれる、ガスや灯油などを使わない窯です。電気で焼成が可能なので、初めての方だけでなくプロの方も愛用されています。電気窯には1,000℃をこえる高温が出せるものや、窯内が広くなっているものなどさまざまな種類があります。値段も5万円~30万ほどです。ほかにも煙は出ることがなく設置も簡単にできるというメリットもあり、自宅で手軽に焼成をおこなえるでしょう。
七宝焼きに必要な温度は変わる?
基本的に七宝焼きに必要な焼成温度は、800℃~850℃と述べました。しかしすべてがこの温度でよいわけではありません。たとえば「有線七宝」に必要となる銀線を曲げるためには熱を加えるので、電気窯を使って「750℃」ほどの温度で熱しなければいけません。
釉薬ひとつをとっても温度は変わり、成分や色によって750℃~900℃と温度に差がうまれます。なかには燃焼が難しいものもあり、盛ったときと焼成後の色が化学変化を起こして、まったく違う色に変わってしまうこともよくあります。多くの色を使えばそのぶん、温度に気を使わなければなりません。経験と知識が必要になるでしょう。
七宝焼きをはじめてつくる方が起こしやすい失敗3選
七宝焼きは伝統工芸のなかでも、だれでも手軽にはじめられるものです。焼成に必要な窯は小型の電気窯で十分なので、道具もそろえやすいのが理由としてあげられます。
七宝焼きではどういった失敗があるのでしょうか。はじめておこなううえで起こしやすい失敗例を3つあげるので、ひとつずつ解説をしていきます。
釉薬の水洗いが足りない・やっていない
七宝焼きの美しい光沢は、釉薬の盛り付けが重要な工程になっています。その釉薬はそのまま使用できず、水洗いをしなければなりません。
釉薬にはゴミや微粉といった不純物が含まれているので、そのまま使ってしまうと色がにごり、きれいに発色できません。水洗いをやっていないのはもちろん、一度の水洗いでも不十分です。二度三度繰り返し水洗いをすることが、不純物を取り除くコツです。
乳鉢と乳棒を使うのもおすすめの方法で、不純物が取り除けるのはもちろん釉薬の粒子がさらに細かくなるので、焼成後の発色がさらにきれいになってきます。透明・銀色の釉薬を使う際には、試してみるとよいでしょう。
焼成時間の見極めで失敗
焼成の温度はある程度決まっているものの、時間は明確にしていないことが多いものです。なかには1~2分程度といっているところもありますが、あくまで目安でしかなりません。
七宝焼きは釉薬を盛り、それを焼成しているのでそれが溶けたら取り出しています。その見極めは初心者にはたいへん難しく、焼成時間が長すぎると焦げる・色がきれいに出ず、短すぎると表面がデコボコになってしまいます。
失敗をしないコツとして、早めに出すようにしましょう。焼きすぎると取り返しがききません。早すぎるなら焼き直しができるので、失敗を減らせるでしょう。
焼成後の釉薬をさわる
焼成後の作品は非常に熱くなっております。800℃前後の電気窯に入っていたからです。七宝焼きに使う釉薬は焼成するとガラス質に変わり、ガラスは見た目では温度が分かりません。キレイだからとうっかり触ってしまうと、やけどをしてしまいます。触れたい気持ちはよくわかりますが、十分に冷めてからにしましょう。
まとめ
七宝焼きも釜に入れて焼成を何度もおこなうので、適切な温度を知っておかなければなりません。基本的には800℃~850℃といわれており、電気窯を使うことで容易に温度の設定ができます。技法や使用する釉薬によっても温度は変わり、とくに釉薬は焼成の前後で、まったく違う色に変わってしまうこともあります。七宝焼きは道具がそろえやすく手軽にはじめられますが、慣れるまでは失敗も多いので気をつけておきましょう。
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