七宝焼きのきれいな色はどうやってできる?色のつけ方も解説

七宝焼きのきれいな色はどうやってできる?色のつけ方も解説

七宝焼きは色がポイントです。この色がどうやってできるか気になる方もいるでしょう。結論から述べると、七宝焼きの色は金属が織り成しています。釉薬(ゆうやく、うわぐすり)という特殊な絵具を使って、色をつけるのがポイントです。

今回は七宝焼きの色の秘密を知りたい方のため、その出し方や技法などを解説します。これを読めば七宝焼きの色に関する基礎知識がわかるでしょう。

七宝焼きの色はどうやってできるのか?

七宝焼きの色は金属からできています。色をつける役目は釉薬です。ここでは色の成り立ちを見ていきましょう。

七宝焼きの色は金属のもの

七宝焼きの色は金属のものです。ここでの色は、従来の金や銀、銅などとも違います。金属のイオンなどにより光が反射した結果、さまざまな色味ができるのです。

たとえば青でも、金属成分の反応によって色味が異なります。光の反射や反応する物質の組み合わせによって、暗い青になったり、さわやかな青になったりするのです。このような色の違いが、七宝焼きの目玉です。

以上から七宝焼きの色は金属由来で、出来栄えによって色味も異なります。

色つけには釉薬を使う

七宝焼きの色つけには、釉薬を使います。これは専用の粉末絵具です。釉薬の色選び次第で、焼き物としての出来栄えも違ってくるでしょう。

釉薬は、七宝焼きの素地に盛るのが基本です。そのうえに別色の釉薬で絵やデザインを施すこともあります。ここまでまとまったら電気炉に素地を入れて焼き、冷ますと完成です。このようにして七宝焼きの色が決まります。

七宝焼きの色を決めるのは、釉薬です。これが金属やガラスの反応を受け、さまざまな色を出すのです。

七宝焼きの色をつける主な技法4つ

七宝焼きにはさまざまな色つけの技法があります。技法によって釉薬の使い方も違うので、ぜひ確かめてください。
ここでは七宝焼きの主な4つの形式に応じて、色のつけ方を見ていきましょう。

ビーズやフリットではひとつの材料に釉薬1種類

ビーズやフリットは、七宝焼きにおけるベーシックな形式です。ひとつの材料を決め、それに1種類の釉薬を合わせるだけです。そのためオーダーメイドでも仕上げやすいといえます。

釉薬を盛り終われば、ビーズやガラスフリットを飾ります。材料と釉薬の組み合わせがシンプルであるため、飾りものを使ったデザインも進めやすいのが特徴です。そのため遊び心を発揮しやすい形式といえます。

このようにビーズやフリットは、七宝焼きの基本形式です。まずはこちらから色味やデザインを楽しんでみませんか。

ガラスのせでは不透明色の釉薬を使用

ガラスのせにはベネチアンガラスやチタンガラスを使います。銅板の上に、不透明色の釉薬を盛る形です。このとき使う色は1種類になります。

ベネチアンガラスは透明と不透明に分かれています。幾何学模様や色とりどりの小花など、多種多様なデザインが可能です。チタンガラスは角度によって色の見え方が変わります。そのため奥深い魅力を引き出す可能性に注目です。

ガラスのせでは不透明色の釉薬が活躍します。ガラスは角度によって見え方も変わるので、色のつき方も多彩でしょう。

銀ぱくちりばめでは2種類の釉薬を使う

銀ぱくちりばめでは、2種類の釉薬を使います。不透明色を先に使い、あとから透明色を盛る形です。最初に銅板に不透明である釉薬を一色盛ります。そのあとは、銀ぱくを散りばめるように乗せていくのです。

焼成後に透明色の釉薬を全体に盛ります。ここで再び電気炉に入れると、銀ぱくの部分に透明色の色が出ます。銀ぱくの振り方次第ですが、魅力的な色合いを楽しめるでしょう。

銀ぱくちりばめでは、先に不透明色の釉薬を使い、あとから透明色を盛るのが特徴です。このように高度な色のつけ方になりますが、そのぶん繊細な作品が出来上がる可能性があります。

重ね焼きは不透明の白がベース

重ね焼きは、銅板に不透明色の白い釉薬を盛ります。そのあと一度目の焼成に入る形です。

取り出した銅板に対し、次は透明色の釉薬を塗ります。そこへビーズやフリットによる飾りを入れてから、再焼成に進む形です。

このように重ね焼きは、二度の釉薬盛りと焼成があります。銀ぱくちりばめと違って、不透明の白がベースになっているのも特徴です。そのため七宝焼きとしては高度な技法といえます。

まとめ

まとめ

七宝焼きは、金属成分の反応によって、さまざまな色を出します。光の反射や見る角度などによっても、色が変わってくるでしょう。色つけには釉薬を使います。形式によって不透明色だけを使ったり、不透明色と透明色の両方を用いたりするのが特徴です。

このように七宝焼きは、材料や釉薬の使い方次第で、さまざまな色を見せます。これからオーダーメイドを考えている方は、ぜひ色味に注目してください。

「畠山七宝製作所」では、七宝焼きのオーダーメイドを展開中です。デザインの打ち合わせでは、色をはじめ、お客さまのさまざまな要望にお答えします。アクセサリーやジュエリーなどをお求めの方は、ぜひご相談ください。