七宝焼きには釉薬(ゆうやく、うわぐすり)という絵具による色出しや、多種多様な技法といった特徴があります。ほかの陶器より見た目を美しく守れるのもポイントです。体験教室もあるなど、全国で需要があります。そんな日常生活にも根付いている七宝焼きには、さまざまな特徴があります。
今回は、数多くある七宝焼きの特徴のうち、5つを厳選してご紹介します。七宝焼きについてあまりよく知らないという方は、ここから焼き物としての魅力を見つけてみましょう。
七宝焼きは釉薬で色をつける
七宝焼きは、釉薬で色をつけるのが特徴です。この色は、金属の化学反応によって出ます。釉薬自体にも金属が含まれているので、その種類次第で色も異なるのです。
七宝焼きの色は、金属のイオンなどが主因です。このような成分から光の反射が生まれ、赤や青、黄色などを生み出します。金属の素地と釉薬の組み合わせによって化学反応が異なり、別々の色が出ます。
このように七宝焼きの色は、釉薬がポイントです。これが金属と混じり合い、化学反応で色を生み出します。変化する色合いの違いなどを楽しめるのも、七宝焼きの大きな魅力のひとつだといえるでしょう。
七宝焼きには日本と西洋でさまざまな技法がある
七宝焼きには日本と西洋で、さまざまな技法があります。ここでは日本と西洋から、それぞれ代表的な技法を見ていきましょう。
日本由来の技法
日本由来の技法には、象嵌(ぞうかん)七宝や有線七宝などがあります。象嵌は金属の素地を彫り、そこに釉薬を流し込む形です。ここから各パーツと同じ素地を作り出します。できあがった素地に七宝をはめ込む形です。
有線七宝は、薄い帯状の金属線を使い、素地に模様を作ります。そこに釉薬を流し込む形です。繊細なデザインで、和物らしい魅力を出せます。
このように日本由来の技法には、素地に模様をつけ、それに合わせて釉薬を流し込むやり方が人気です。
西洋由来の技法
西洋でも七宝焼きの文化が見られます。こちらは「エナメル」と呼ばれ、ヨーロッパのアンティークジュエリーなどが代表例です。技法としてはシャンルヴェや、プリカジュールなどが主流になります。
たとえばシャンルヴェは、金属のくぼみを彫り、そこに釉薬を流し込みます。これは日本における象嵌七宝に似ているでしょう。
プリカジュールは薄い金属箔の素地を使います。そこに金属線を貼り、釉薬を流し込む形です。最後に金属箔をつけ、透過仕上げに持ち込みます。ステンドグラスに似た美しさを感じられるでしょう。
このように西洋でも、さまざまな七宝焼きが見られます。日本とはまた違ったデザインを楽しめるでしょう。
七宝焼きは長い間美しい見た目を守る
七宝焼きは保存性の高さも特徴です。表面がガラス質になっており、これが物体の状態を守ります。
たとえば素焼きの陶器などは、表面が傷つきやすいのが難点です。時間が経つとカビの繁殖にいたるケースもあります。このように素焼きだと、長期保存が課題です。
一方で七宝焼きはガラス質なので、以上のようなトラブルに強いといえます。そのためぶつけたり落としたりしなければ、管理しやすいでしょう。このように七宝焼きは、美しい見た目を長期間楽しめます。色褪せない魅力を長きにわたって楽しみたいという方には、七宝焼きがおすすめです。
七宝焼きはガラスなので取り扱いに注意
七宝焼きはガラス質なので、取り扱いに注意してください。強くぶつけたり、落としたりすると割れるおそれがあります。またヒビ割れにも気をつけてください。
洗うときもやわらかいスポンジに洗剤をつけてこすり、ぬるま湯で洗い流しましょう。熱いお湯だと膨張で割れるかもしれません。冷たすぎる水だと収縮で割れるリスクがあります。
このように七宝焼きの持ち運びや管理時は、壊してしまわないように注意してください。
七宝焼きを体験できる場所がある
七宝焼きは、全国で体験しやすいのも特徴です。伝統工芸品としての独特な魅力から、実際に作ってみたいと思う人がいます。事業者側もそれを認識し、体験の機会を与えているのでしょう。
たとえば、七宝焼きの体験を専門にした工房やアトリエがあります。焼き物の店舗販売やネットショップを展開しながら、体験教室を展開する事業者もいます。このように七宝焼の体験は、全国で展開されているのです。
以上から自分で作ることも比較的簡単で、日常生活の中で身近であることも、七宝焼きの特徴だといえるでしょう。
まとめ
七宝焼きは金属反応で、独特な美しさを見せます。ガラス質ですが、保存性に優れているのも特徴です。独自性のある魅力から、体験教室も開かれています。このように七宝焼きにはさまざまな特徴があるので、ぜひ触れてみましょう。
「畠山七宝製作所」でも、さまざまな七宝焼きを展開しています。当店ではオーダーメイドやネットショップで、焼き物の魅力に触れられるのが特徴です。気になる方は、公式サイトまでぜひアクセスしていただき、さまざまな七宝焼きについて見てみていただければと思います。